行政書士の試験勉強をしているのですが、メイン科目の民法と行政法が「わからない・・・難しい・・・」という人は多いです。とはいえ、民法を捨てると合格は不可能なので避けては通れない道です。
民法の難しいところ
民法で一番難しいのが、要件と効果の暗記ですね。
これを暗記だけで覚えようとするとなかなか覚えられません。
20代~30代の若い人はいけるかもしれませんが、40代をすぎると脳の暗記力は落ちていくので、ゴリゴリの暗記方法だと最近の試験で通用せず不合格になってしまう可能性も高くなってしまいます。
しかも最近の行政書士民法は、過去問だけだと試験対策も難しいので理屈から覚えて理解して暗記するプロセスが大事になっています。予備校でもこのあたりをうまく説明してる先生は少ないので、みんなが民法を苦手になるのは仕方ないのかもしれませんね。
そこで、そんな時に役立つ民法の理解を助ける本を紹介します。
民法の理解の助けになる本
以前から一部の行政書士受験生の間で評判が良かったのが伊藤塾の平林勉先生の解法スキルマスターです。
平林先生は、伊藤塾の中でも民法の講義がわかりやすいです。一人で芝居もしてくれるし、ポイントでは緩急をつけてしゃべってくれるので印象にも残りやすい講義です。
youtubeのとある弁護士の先生も、行政書士で平林先生の講義を学んで法律を好きになり、そのまま予備試験を受験して合格していて、平林先生の講義は一番いいと褒めていました。
そんな平林先生の一球入魂本ということで、民法はテキストで一通り学んだけど、過去問を解くと難しくて解けないという人に役立つと思いますよ。
うかる行政書士 民法・行政法解法スキル完全マスター(新民法対応バージョン)
まず注意点ですが、民法の要件や効果の詳細は網羅されていないので、行政書士の勉強を始めたばかりの初学者が使うとついていけません・・・。
あくまで一通り民法の基礎を学んで人回ししたぐらいの人が使う本ですね。
あと、必ず2020年の民法改正が入った最新版を購入しましょう。中古で古いものを購入すると改正分が反映されていない可能性があります。
原則と例外のワンポイント
民法の勉強は抽象的でふわっとしているので、要件の原則と例外を忘れがちです。
民法ってなんとなくでも解けてしまいますが、平林さんは原則と例外を大切にしていて、まず要件を思い出して当てはめていくという解き方を推奨しています。
テキストには、こんな感じで民法の各テーマごとにワンポイントが記載されています。
このワンポイントが的を得ていて、ここはつまずきそうという論点が掲載されているので、なんでこの問題が解けなかったのかの理解も深まります。
民法をざっくり学んだあとに読んでいくとわかりますが、私は最初見たときに意外と原則と例外がわかっていなくて「自分は雰囲気で解いていたんだな・・・」という風に思いました。
また、テキストには一問一答形式の問題も多く掲載されているため知識の再確認にもなります。
もし行政書士の通信講座や塾に通っている人でも、一度見てみると知識の整理になってよいと思いますよ。
平林さんのブログにも、下記のように書かれています。
これは、基本的なインプットが完了し、過去問などもひと通り読める状態になったら。これが一番だと思います。
解法スキルは、あくまでも正しい知識という土台の上に成り立つものです。
正しい知識なしにいきなり解法スキルだけ学んでも、効果は薄いと考えられます。
(もっとも、本書籍は、いわゆる小手先の解法ではなく、知識をしっかりと使いこなす方法をお伝えしておりますので、一定の効果はあります。)
ということで、基礎講座の方も、中上級講座の方も、とりあえずは現在の学習を進めて頂き、ある程度学習し終えたら、一気に読んでみることをお勧めします。
読み方というのも特にありません。
というか、そのまま読んで頂ければ、正しい解法が身につくようにしてあります。
https://ameblo.jp/goukaku-passport/entry-12352987430.html?frm=theme
ちなみに全部の民法テーマが入っているわけではなく、共有や相隣関係、契約不適合責任、親族などはありませんでした。
全部入っているとよかったんですが、紙面の都合上重要度の高いテーマを厳選しているという感じですね。
他に憲法と会社法の解法スキル完全マスターもあります。こちらはまだ見ていませんが、あとで購入してみたいと思います。
応用問題として使えるスーパー過去問ゼミ民法
ほかに行政書士受験生が民法対策として購入している本がスーパー過去問ゼミの民法1,2です。
2023年の1月現在、新スーパー過去問ゼミの6が最新になっています。
本来公務員試験の問題ですが、行政書士の民法過去問だけだと足りない人が購入している感じですね。
問題は比較的やさしめなものが多いので、行政書士の過去問と合わせて使うと効果的だと思います。通信講座や塾に入っている人には必要ないと思いますが、独学でやっている人にはおすすめです。
司法書士のテキスト「オートマシステム民法1」
オートマは司法書士界隈では有名なテキストで、かなりくだけた口調で書かれているので、読み物としても読みやすいです。
司法書士なので、民法2、3の物件や債権はちょっと難易度は高めですが、民法1の民法総則は民法全体の知識が深まるのでおすすめです。