エビングハウスの忘却曲線は、1880年前後に記憶の節約率について研究した結果です。
勉強したあとに何もしないと、1ヶ月後には、ほぼ忘れてまた同じだけの勉強量が必要になるけど、定期的に復習すれば、少ない労力で記憶を定着できるという教えですね。
かなり古い研究記録なので、色々と批判もありますが実際にエビングハウスの理論を参考に暗記してる人は多いです。
記銘してから、1日の間に急激な忘却が起こるが、その後の忘却は緩やかに起こる。この実験で使用されたのは相互に関連を持たない無意味な音節であり、学問などの体系的な知識では、より緩やかに忘却が起こると考えられる。また、再認可能な「忘却」と「完全忘却」を区別していないという批判もある。
引用:忘却曲線 – Wikipedia
エビングハウス理論のメリット
エビングハウス理論から分かることは、定期的に復習しないとせっかくした勉強が無駄になるということです。
多くの人は資格試験で参考書を読んで過去問を解いて暗記をしますが、人間の脳の仕組み上、1日~1ヶ月もすればほとんど忘れてしまうのが普通です。
そこで必要になってくるのが復習です。しかも1回ではなく定期的な復習。
とにかく力技の単純作業で「覚えたことを忘れる前に、繰り返し暗記する」事が大事になります。ペンキを何度も重ね塗りしていく感じですね。
暗記が苦手でも落ち込む必要は全くありません。人類の80%以上の人は暗記が苦手です。これは人間の脳の記憶場所が「短期記憶(ワーキングメモリ)」と「長期記憶」に分かれていて、短期記憶に格納されたものはすぐに忘れてしまうという性質があるので仕方のないことなんですね。
カナダのウォータールー大学の実験からわかる復習の効果
エビングハウスは、140年も前の実験結果なので現代でも同じことが言えるのか?という疑問は残ります。科学が発達すれば、古い定説がくつがえることは多々ありますからね。
そこで、2013年に行われた、カナダのウォータールー大学の実験を見てみましょう。
1日目、講義の最初、あなたは何も知らない状態、つまり0%で講義に臨みます。講義の終わりには、どんなに忘れていても100%知っている。
2日目までに、その講義で学んだ情報を何もせず、もう一度考えたり、読んだりしなかった場合、学んだことの50%~80%が失われていることになります。私たちの脳は、歩道で聞いた会話の断片や、前の人の服装など、常に一時的に情報を記録しています。その情報は必要ではなく、また二度と出てこないので、脳は講義で習ったことで、本当は覚えておきたいことと一緒にすべて捨ててしまうのです。
7日目にはさらに記憶が薄れ、30日目には元の時間の2%から3%しか残っていません。
実験結果によると、同じことが繰り返されると、脳は「ああ、また同じ情報が来たか。これはとっておいたほうがいいな」と思うので、同じ情報に繰り返し触れていると、長期記憶の中でその情報を「活性化」するのにかかる時間がどんどん短くなり、必要なときにその情報を取り出すのが簡単になると書かれています。
また、学習後に長期記憶を維持するためには、24時間以内に10分間の復習、7日後に5分間の学習、30日以内に2~4分の学習が良いという実験結果がでています。
つまり定期的に復習することで、記憶の定着率があがるというわけですね。
全く復習をしないと記憶の定着率は2%~3%ですから、復習をしないデメリットがいかに大きいかがよくわかります。
「5分程度の復習で本当に大丈夫なの?」と思うかもしれませんが、偏差値30から司法試験に一発合格した弁護士の佐藤大和さんの著書によると夜と朝の5分の復習が大事ということを書いています。
佐藤さんの場合は、8日間で5回の復習というトレーニングをしていましたが、ルーチン化してスケジュール組んで毎日やるのは大変です。
長期記憶に保持するための復習する間隔と回数
上記より最低でも「1日後、1週間後、1ヶ月後」の合計3回の復習がおすすめです。
2回目以降の復習は、前回のことを覚えているので学習時間は少なくなりますが、現在やっている勉強と平行して1週間前の復習も同時進行、さらに2週間後はいくつもの復習が重なってくるので辛い作業になります😭
また、学習時間については、資格の内容によるところが大きく、難関資格(宅建、行政書士、司法書士、司法試験、会計士、税理士)になると復習の分量も増えていくので、2回目、3回目の復習時間をどのぐらいにすればいいのかは一概には言えません。
復習の回数などを、youtubeの難関資格合格者で調べてみたところ様々でした。
公認会計試験合格者「1日後、1週間後、2週間後、1ヶ月後、2ヶ月後」という人
司法書士試験合格者「1日後、1週間後、2週間後、4週間後」という人
司法書士試験合格者「1日後、2週間後、1ヶ月後、2ヶ月後」という人
がいました。難関資格になると最低4回の復習が必要という感じですね。
仕事や家庭がある人も多いと思うので、自分が実践できる間隔と回数をある程度把握しておく必要があります。
河野玄斗さんの暗記の2大鉄則を最高学歴が徹底解説【記憶法】動画の、周辺知識を覚えて意味づけをする部分。東大卒は蛍光ペンをこう使う!動画のラインマーカーを引いてマーキングをし自分の言葉で置き換える部分、見直しを短時間で済ませる方法は参考になります。
エビングハウスの忘却曲線グッズ
ここではいくつかエビングハウスの忘却曲線をもとにした勉強法に役立つグッズを集めてみました。
エビングハウスフセン
なんと高校生が考えた付箋です。コロンブスのタマゴ的な発想ですね。
上記のウォータールー大学の実験結果に基づいた付箋です。
1枚のふせんに「学習日」「翌日」「1週間後」「4週間後」が書かれていて、勉強した日に「学習日」のふせんを貼ると次回の復習のタイミングが付箋を見るだけでわかります。
復習したら、付箋をミシン目に沿ってちぎっていき、最後は剥がして復習完了になります。アナログ派におすすめ。
購入できる店舗は2店舗
西武渋谷店「CHOOSEBASE SHIBUYA」のオンラインショップ
47CLUBのオンラインショップ
(エビングハウスフセン) 記憶に残る喜びを Ebbinghaus Stationery 1ヶ月前に何を学習したか覚えていますか? 人は忘れる生き物、復習しないと記憶は消えていく。 間隔をあけて復習すると長期記憶になりやすいって聞いたけれど、そもそも1ヶ月前に何を学習したか覚えていない。 復習のタイミングを可視化するエビングハウスフセンで効率的な学習体験を。
引用:エビングハウスフセン – CHOOSEBASE SHIBUYA
エビングハウスの忘却曲線アプリ
忘却曲線で暗記アプリ – reminDO
appstoreでレビューも1万件ついていて、評判も良いアプリです。
途中から課金になって広告が入りましたが、無料でも使えます。
スケジュール管理というよりは、やりたい事(TODO)を入れておくと、復習すべきタスクが「翌日、1週間後、2週間後、4週間後」に表示されるのでそれを消化するという感じでした。(間隔などはカスタム可能)
reminDOは脳科学に基づいた記憶に残せるメモアプリです
人は復習しなければ確実に忘れていきます 何かを100個覚えても一ヶ月後には80個の内容を思い出せなくなります 覚えたい事は全部 reminDO に入れておけば、忘れるタイミングで通知されます 復習量は必要最低限で覚えられる量を最大化します これにより効率のよい学習が出来ます。特徴 – 忘却曲線を使った学習の効率化で記憶力を大幅に向上させます。
引用:「忘却曲線で暗記アプリ – reminDO」をApp Storeで
公式サイト:https://remindo.co/
勉強分析 忘却曲線が見れる復習管理アプリ
地味なアプリですが、大学生の方が作ったアプリでレビューは260件近くあり評判良いです。
スケジュール管理がしやすく、何日にどのページを進める必要があるのか、パッと見で分かるのが良いですね。
シンプルで使いやすいアプリで、610円の買い切りで永久プレミアムになれるのもGood。UIが進化したら最強かもしれません。
・記憶状況をエビングハウスの忘却曲線に基づいたグラフで確認
引用:「勉強分析 忘却曲線が見れる復習管理アプリ」をApp Storeで
・一日の勉強時間をグラフで確認
・復習する日程(復習周期)を自分好みにカスタマイズ
・ホームタブで日ごとにするべき復習をリストで確認
・復習時間になったら通知でお知らせ
・勉強する教科書をバーコードで読み取り簡単登録(独自の教科書も登録可能)
App Storeサイト:勉強分析 忘却曲線が見れる復習管理アプリ
復習帳
上記の勉強分析とほぼ同じアプリです。レビューは88件ほどあり、機能やUIなどこちらのほうが少し洗練されている印象でした。
進捗で各タスクの消化率も見れますし、スケジュールでは完了したタスクをチェックして完了させられるのがいいですね。
無料版と有料版がありますが、勉強分析が買い切りなのに対して、こちらは月額課金なのでちょっと高いなという気はしました。
・勉強したことを完全に忘れないように復習する日をスケジュール管理。
引用:「復習帳」をApp Storeで
・復習する日がきたら通知でお知らせ。
・1日後,7日後,14日後,24日後(以後24日ごとに)のように自由に復習日を設定可能。
App Storeサイト:復習帳
スタディング
スタディングはまだ知らない人も多いと思いますが、資格勉強のアプリです。値段も他の通信予備校に比べると相当安い値段になっています。
スタディングが最近開発したのがエビングハウスの忘却曲線のように問題の解答結果をAIに学習させて最適な復習タイミングを自動で提示してくれるようになりました。
この機能ができたことによって神アプリになったと思います。
私も、いくつか有料で資格を取得しましたが、スマホですきま時間に資格勉強できるので良かったですよ。気になる人は、無料のお試しを使ってみてくださいね。
その他の疑問
エビングハウスの忘却曲線とは、学習した情報が時間の経過と共にどのように忘れ去られていくかを示すグラフです。この理論は、1885年にドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスによって提唱されました。彼は、記憶と忘却の研究を行い、人間の記憶が時間が経つにつれてどのように減少していくかを定量的に分析しました。
エビングハウスの忘却曲線にある「節約率」とは?
「節約率」とは、学習した情報を一度忘れた後に再学習する際に、前回の学習経験がどれだけ役立つかを示す指標です。具体的には、再学習にかかる時間が最初の学習時と比べてどれだけ短縮されるかをパーセンテージで表します。節約率が高いほど、情報が記憶に残りやすいことを意味します。
エビングハウスの忘却曲線からわかること
エビングハウスの忘却曲線からは、人間の記憶が時間と共に急速に減少すること、しかし一定期間後には忘却の速度が緩やかになることが分かります。この曲線は、効果的な復習のタイミングを理解するのに役立ちます。特に、情報を最初に学習してから24時間以内、その後数日後、さらには数週間後に復習することが記憶の定着に非常に効果的であることが示されています。
忘却曲線と記憶保持率の関係
記憶保持率とは、特定の時間経過後にどれだけの情報が記憶されているかを示す割合です。忘却曲線はこの記憶保持率の変化をグラフ化したものであり、時間が経過するにつれて記憶保持率が低下する様子を示します。復習を行うことで、この記憶保持率を高め、忘却曲線をフラットにすることができます。
復習の最適タイミング
エビングハウスの研究によると、最適な復習のタイミングは、最初の学習後24時間以内、その後は1週間後、さらには1ヶ月後が理想的です。これにより、記憶の定着を最大限に高めることができます。
「Remind do」の使い方
「Remind do」とは、エビングハウスの忘却曲線に基づいて設計された学習サポートツールやアプリケーションを指すことがあります。これらのツールは、ユーザーが学習した内容を最適なタイミングで復習できるようにリマインダーを設定する機能を提供します。使い方はアプリによって異なりますが、一般的には学習内容を入力し、アプ
リが自動的に復習のスケジュールを提案し、通知を送る仕組みになっています。
reminDOの開発者
「reminDO」の開発者についての情報は、アプリケーションまたはツールの公式ウェブサイトや開発者情報に記載されています。2024年の記事を作成するにあたり、具体的な開発者名や組織についての最新情報は、直接そのソースから確認することが推奨されます。
エビングハウスが行った研究
ヘルマン・エビングハウスは、記憶と忘却に関する実験心理学の分野で画期的な研究を行いました。彼は、無意味な音節を用いて自らの記憶力をテストし、学習と復習が記憶に与える影響を系統的に分析しました。エビングハウスの忘却曲線は、彼の研究成果の中でも特に有名で、記憶研究の基礎を築きました。
忘却曲線の具体例
忘却曲線の具体例としては、ある情報を学習した直後は記憶率が高いものの、時間が経過するにつれて忘却率が上昇し、特定のタイミングで復習を行うことで記憶率を再び高めることができるというものがあります。例えば、新しい単語を学習した場合、最初の24時間以内に復習することで記憶の定着が促され、その後も定期的に復習を行うことで長期記憶に移行させることが可能です。
これらの解説は、エビングハウスの忘却曲線に関する基本的な理解を深めるのに役立ちますが、実際に学習や記憶の効率を高めるためには、定期的な復習や適切な学習方法の選択が重要です。また、最新の研究や技術の進展によって、エビングハウスの理論を応用した新しい学習支援ツールや方法が開発されていますので、常に最新の情報を取り入れることが推奨されます。