自宅でテレワークなども増えてきて、マンションの騒音問題も増えてきました。
特にマンションの騒音問題は、本当に特定が難しく、思い込みや勘違いでお隣さんや上の階に苦情をだすと勘違いだったときに大変なことになります。隣人トラブルが事件に発展することもあるので騒音のトラブルは、慎重に対応しましょう。
騒音の種類の特定
まず、騒音の特定が必要になります。
特定するためには、子供の声なのか、足音なのか、楽器なのか、音楽なのかなど当たりをつけなければいけません。
そして、何日の何時から何時の間に、どこからどんな音がするか?少なくとも一週間はメモをとっておいたほうが良いです。
これがあると、騒音の原因になっている人に相談した場合にも話がしやすいです。
マンション外の騒音が流れ込んでる場合もあるし、マンションのダクトや排水ポンプの音の可能性もあるので、いきなり怒鳴り込むのはやめておきましょう。
重量床衝撃音の原因
子供の足音
子供の足音も騒音の相談が多いですね。
子供の場合は、足のかかとから歩いたり、ソファーから飛び降りてズシンと下の階に鳴り響くこともあります。
この音を「重量床衝撃音」といいますが、かなり響きます。
お隣さんなのか、上の階なのか、斜め上の階なのか、発生場所が特定しにくい音です。
大人のかかと歩き
大人でも、足のかかとからズシンズシンと「かかと歩き」をする人がいます。
その振動が下の階に伝わって騒音の原因になっていることもあります。
ちなみに、木造だけじゃなくてRC造の鉄骨コンクリートでも振動が伝わりやすいので、高級マンションなのに振動がするというケースも多いです。
下のブログによると、「コンクリートに入った音(振動)は、空気の約15倍伝わりやすい」そうです。
http://blog.voice-proof.com/?eid=34
お隣さんや上の階の人が、体重の重い人、ガタイの大きい人だったら特に要注意です。
鉄筋コンクリートのマンションの場合、天井の厚み(スラブ厚)が200~220ミリぐらいあると安心です。
賃料の高いマンションでも、築10年ぐらいになると、スラブが薄い場合があるので入居前にチェックしたほうが良いですね。
重量床衝撃音の対策
重量床衝撃音の対策で一番有効なのが、
- じゅうたんを敷いてもらう
- 防音マットを敷いてもらう
- 親御さんと子供にスリッパを履いてもらう
です。
防音マットと絨毯はお金がかかるので非常に言いヅライですし、相手も承知してくれるかわかりませんがダメ元でお願いしてみるのが良いですね。
かかと歩きは、スリッパがかなり有効なのでおすすめです。
軽量床衝撃音の原因
生活音
掃除でテーブル・椅子・ソファを引きずる音、掃除機の音など色々あります。
二重床になっている場合でも、安心はできません。
二重床の下に空気が密閉された状態になって、太鼓のように音が響く太鼓現象音が反響するして聞こえたりと様々。
この手の「軽量床衝撃音」は上の階の床から聞こえることが多いと思います。
重量床衝撃音と違って、スラブの厚さなどの影響は少ないです。
遮音等級というのがあり、L-40かL-50は欲しいところです。
遮音等級 | L-40 | L-45 | L-50 |
---|---|---|---|
人の走り回り、飛び跳ねなど | かすかに聞こえるが、遠くから聞こえる感じ | 聞こえるが、意識することはあまりない | 小さく聞こえる |
椅子の移動音、物の落下音など | ほとんど聞こえない | 小さく聞こえる | 聞こえる |
生活実感、プライバシーの確保 | ・上階で物音がかすかにする程度 ・気配は感じるが気にならない | ・上階の生活が多少意識される状態 ・スプーンを落とすとかすかに聞こえる ・大きな動きが分かる | ・上階の生活状況が意識される ・椅子を引きずる音は聞こえる ・歩行などが分かる |
床衝撃音に対する遮音等級と生活実感床衝撃音とL値|防音のハナシ|防音対策.com
軽量床衝撃音の対策
生活音や掃除の音は対策が難しいです。
壁が薄い、床が薄いなど部屋の構造が問題のことも多く、相手に気をつけてもらうか、家具などを音のしにくい場所に配置してもらうぐらいしか対策がありません。
その他の音
配管やダクトからの音
配管やダクトは他の部屋と繋がっていることが多いです。
振動の原因が、上の階からではなく、さらにその上の階からの音や斜め上の階だったという事も・・・。
下記は、ダクトスペースからカーテンレールの音が聞こえてしまうという騒音被害にあった方のブログです。
寝室の壁の中から階下の騒音が響いてくる悪夢の分譲マンション! | ペット飼育可能な賃貸マンションの落とし穴を見抜け!寝室の壁の中から階下の騒音が響いてくる悪夢の分譲マンション! | ペット飼育可能な賃貸マンションの落とし穴を見抜け!
設計ミスだとどうにもならないので、原因を特定するにはある程度の知識が必要になりますね。
マンションのポンプ装置などの音
マンションの設備が原因の音は、盲点になりやすいです。
- 20階の最上階で異音がするが場所がわからない・・・。
- 1階の角部屋で原因不明の異音がする・・・。
で、よく調べたら地下や屋上のポンプの振動音だったというケースもあります。
キッチンやクローゼットの扉を締めたときの衝撃音
実際に私が騒音被害にあったのがこれです。
お隣さんが引っ越してきてから、不定期にドスンドスンという音がして、たまに壁が揺れることもあり、そのたびに心臓がドキっとして嫌だったんですよね。
- ダンボールをおいたときの音
- 運動をしている音
という感じだったのですが、最初お隣さんに聞きに行ったときは、「洗濯機も回していないし、運動もしていないでソファーでテレビを見ていた」ということだったので平謝りして帰ることに・・・。
それでも音がなくならないので、1週間ぐらいメモをとって上下左右と斜め上の人に聞き込みに行きました。
結局、どの方も騒音は出しておらずやっぱりお隣さんの「何かの音が原因」という結論に。
そこで、一番疑わしいお隣さんに頼んで協力してもらい部屋に入ってきてもらい実際に壁を叩いたり、音をだして実験をしました。
すると、キッチンの上扉を閉めたときにバタンという衝撃がなぜか隣の部屋に伝わっていったんですね。
これかー!
ということで、お隣さんにはキッチンの扉の部分にスポンジになってる消音シートを貼ってもらうようお願いして解決しましたw
お互いの部屋のキッチンは鏡上になっているのですが、どうやらお互いの壁にある仕切り間がコンクリート部分の遮音までできておらず、
「キッチンの扉をしめる→コンクリートに反響→反対側の部屋の壁に衝撃音が伝わる」という構造になってしまっているようです。
お隣さんが引っ越してくる前までは、男性の1人暮らしだったのでキッチンを使っておらず騒音はおきなかったという事もわかりました。
RC造で割と家賃も高いのに、安アパートみたいな騒音が起こるとは誰も思いません。
お互いなんの得もしない、なんとも運の悪い話ですね。
マンションの大家さんや管理人、管理会社は騒音問題に対応してくれるか?
マンションに大家さんや管理人がいる場合は、まず最初に相談してみましょう。
自分で勝手に張り紙を貼ったり、手紙を出す前に管理人や大家さんに相談するのがベストです。
柔軟な管理人なら、直接手紙をポストに投函してくれたり、張り紙をしてくれます。
大家さんのアパートの場合
大家さんが個人で経営している小規模のアパートやマンションなら、大家さんから住人に直接、言ってくれることも多いです。
まず大家さんに直接相談、電話、手紙、メールを出すのが良いですね。
その際は、騒音の出る場所や時間帯、種類のメモをお忘れなく。
大規模な分譲・賃貸マンションの場合
多くの分譲・賃貸マンションは、規則により対応が難しい事が多いです。
特に数百名の住人が住んでいるマンションだと、理事会や細かい規則が色々あり簡単にはいきません。
管理人も、管理会社から派遣された人や派遣サービスから来た人などマンション事情に詳しくない人もいます。
私が数百名規模のマンションに住んでいたとき、騒音で管理人に相談しにいったときは、「理事会に騒音の議題をだして承認しないと掲示板に貼れない」と言われました。
また、その議題も「一人の苦情ではなく、複数人の騒音に困っている状況が必要」ということでした。
なんとも融通が効かないなあ・・・と思いましたね。
管理人が騒音についての張り紙や手紙を出してくれる場合
管理人が柔軟な場合、音を出している住人のポストに「近隣住民が困ってます。もし心当たりがあればお控えください」と部屋番号などを伏せて手紙や張り紙を投函してくれるケースもあります。
このあたりは、個人の裁量が大きいですし、面倒な揉め事は仕事が増えるから嫌という管理人や管理会社の場合は積極的に対応してくれません。
何号室の人からという風に伝えると相手に恨まれたり嫌がらせを受ける可能性もあるので、「近隣住民からの要望」で出したほうが安全です。
どんな文面を出したのかを知りたいので、コピーを自分のポストにも投函してくださいと言っておけば完璧ですね。
自分で騒音についてお願いの文章を出す場合
どうにもならない場合は、自分でパソコンのWordで文章を作成・印刷してポストに投函するしかないです。
相手の家の玄関に張り紙をするのは、警察沙汰になることもあるので控えたほうが良いと思います。
もし、防犯カメラに映ったりして相手の玄関に傷をつけたり蹴るとそれだけでマンションの大家や管理会社から退去命令させられるかもしれません。
実際に、相手の玄関を蹴ったのを防犯カメラに取られて退去させられてしまった人をブログで見かけました。
被害者なのに、加害者になって退去は悲しいですからね。やめておきましょう。
自分で隣人に直接聞きに行く
これは、結構勇気がいります。
私も騒音問題で「上下左右斜め上の住人」に聞き込みに行ったことがありますが、住んでる人が全員良い人ではないですからね。
疑われたほうからすれば、濡れ衣だったり言いがかりということもあります。
最初は、
「何日の何時ごろにドスンという足音がしていて原因を調べているんですが、ちょっとお聞きしてもよろしいでしょうか?」
ぐらいな低姿勢でいったほうが無難です。
騒音は下の住人の可能性はかなり低いので、一番最初に疑うのは、お隣さんと真上ですね。
聞き込みに行く前に確認しておきたいこと
相手の部屋の間取りなのか調べておく
同じ間取りなのか、鏡になっているのか間取りを調べておいたほうが良いです。
例えば、部屋の真ん中を仕切っている壁がある場合、その壁沿いにウファーや重低音がでる機材をおいてると振動することもあります。
どのくらいの騒音なのか録音しておく
子供の声や足音をアイフォンやアンドロイドの録音機能で録音しておいて証拠を残しておくと相手に見せることができます。
重低音は難しい
ただし、この手の機械のマイクがあまり高性能ではありません。
ズシンといった重低音や低周波や高周波の音は録音しても何も聞こえないので、専門家かプロが使う集音器を使う必要がありハードルが高いですね。
警察と追い出すのは最終手段
警察は、マンション内での騒音問題には対応してくれない可能性が高いです。
なぜなら、警察官は民事不介入の原則があるので、基本的には当事者本人同士で解決してくれという事が多いからです。
もし、1戸建てで、騒音おばさんみたいな人が騒音を撒き散らしていて、近隣住民みんなが困っている場合なら可能かもしれません。
ただし、警察が来てくれたとしても、そのときに騒音行為の証拠がないと注意や逮捕も不可能です。
また、確実な証拠をとるにしても、専門家の測定や調査をして貰う必要があり、その騒音の診断書提出で逮捕してくれる場合があります。
被害届は、事件性がないと警察が動くことはないので騒音の被害だと難しく、結局は自分の力でなんとか解決しないといけません。
諦めて引っ越すのもあり
近隣住民に聞いても、管理会社や管理人にいっても騒音問題が解決しない・・・
特に、子供だったり、言葉や文化が違う外国人、マナーの悪い若者だと注意してもまた数ヶ月で元通り騒音が発生なんて事もよくある話です。
そうなると、自分が引っ越すしかありません。
お金はかかりますが、2年目の更新のタイミングを狙って引っ越すのが一番良い手段になります。