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リアリスティック司法書士講座。テキストや記述の評判も

辰已法律研究所で司法書士の専任講師をやっている松本雅典先生の司法書士講座です。リアリスティックシリーズの本は、独学の受験者でも使っている人が多く、わかりやすいと評判ですね。辰已法律研究所は、個性豊かな先生が多いということで、司法書士の海老澤毅講師も人気だったようですが現在はアガルートで講師をされているようです。

ちなみに、私が松本先生を知ったのは、youtubeと司法書士5ヶ月合格法という本です。

司法書士試験の勉強時間は、通常3000時間~5000時間かかります。

それをこんな短時間で本当に合格できるのか?と半信半疑で調べました。

私が見た限り、合格者は月に160時間仕事して、160時間勉強するぐらい死ぬほど努力してますし、高学歴の方も含まれているので、最低3000時間は必要と考えたほうが良いです。短時間で合格する方=もともとポテンシャルの高い人という事実はあると思います。

目次

松本雅典先生のプロフィール

まず驚いたのが松本雅典先生の年齢が若いこと。昭和61年生まれなので2024年で38才です。

しかも24歳で司法書士に合格していますね。高校を中退したなどのエピソードも本に書かれていましたが、難関資格を取得できたのは、努力の結果だと思います。(書籍には床がすり減るまで同じ場所で勉強していた写真も掲載されています)

ただ、勉強時間が1日17時間、長い日だと20時間だったという事で松本先生自身も異常すぎたので真似しなくて良いですといっていましたw

2010年11月  5か月の学習期間で司法書士試験合格(受験回数1回)
2010年12月  宅建試験(現在は宅建士試験)合格(受験回数1回)
2011年1月  行政書士試験合格(受験回数1回)
2011年6月  司法書士試験講師に~現在
2011年9月  簡裁訴訟代理等能力認定(受験回数1回)
2012年5月  リアリスティック一発合格松本基礎講座を担当開始~現在(2023年度向けで11年目)
引用:https://sihousyosisikenn.jp/8698159-2

司法書士の塾講師になった経緯は、就職予定だった司法書士事務所の採用が東日本大震災で取り消しになってしまい、その後、辰巳の先生に声をかけられ、たまたま人前で講義をやったら意外と喋れたと言う事で塾講師になったそうです。

松本雅典先生のリアリスティック一発合格講座の合格者数

司法書士の塾で大事になるのが合格実績ですね。

松本先生の司法書士講座は、直近2年度連続で20名以上、直近6年度連続で2桁という実績です。

受講者数は記載されてませんが、辰巳に聞いた話だと、年度によってことなるが「約250人中」とのことでした。あくまで、申込者数で、全124コマが受講完了しない人も含むとのことです。

あと、複数年受験で、他の予備校を受けている方や、伊藤塾、LECと予備校を渡り歩いてる方もいるので、リアリだけの合格者という意味での正確な数はわかりません。

参考までにLECの合格者数が一番多く、最近はどの予備校も合格者が増えている印象です。

リアリ合格者数2023年38名
LECの合格者数
LECの一発合格者数
2023年:49名
2023年:27名
合計:76名
TACの合格者数2023年:21名以上
引用:https://www.lec-jp.com/shoshi/reason/success/message.html
https://www.youtube.com/watch?v=nO25ala92go

ただ、司法書士は、11分野もあり教科書にすると合計4000ページ程度あります。そのため3分の1ぐらいは、途中で挫折して勉強をやめてしまうとか。

松本先生の講義でも8ヶ月講座と20ヶ月講座がありますが、20ヶ月ずっと司法書士の勉強をするのも忍耐が必要です。

行政書士試験の5倍以上難しいので、行政書士に合格したから安易に司法書士を目指すのはやめておいたほうが良いと思いました。人生を捨てる覚悟でのぞんだほうがよさそうです・・・

司法書士試験の通信講座にかかる料金

松本先生の司法書士講座に限らず、司法書士の資格試験は料金が高いです。だいたい40万~50万が相場ですね。

お金がもったいないから独学で行く人も多いですが、司法書士試験は、挫折が多いので身銭を切って講座を受けたほうがお金を無駄にしたくないという気持ちも働くのでやる気が出やすいです。

資格試験に初挑戦の人は、まずは自分を追い込んでから後戻りできないようにしていくのもアリだと思います。

講師との相性

司法書士試験の講師は、変わった人が多いので講師選びは大事です。

松本先生は独自路線を行っていて、かなりクセが強いスパルタ先生。

リアリスティック以外にも、「森山先生」や「赤松先生」のいるLEC

記述答練に強い山村先生、熱血な小山先生がいる伊藤塾

オートマシステムで有名な御大「山本浩司先生」「姫野先生」のTAC講座などがあるので、

どの講義が自分には合うのかはじっくり調べましょう。

どんな良い講義でもやはり先生との相性は大事です。

下記に司法書士の講座を比較してみたのでこちらもご参考ください。

司法書士通信講座の比較はこちら>>

松本先生の講義

私が民法と不登法を受講した感じだと、松本先生は、伊藤塾の平林さんや辰巳の山田先生と比べるとそこまで講義が上手というわけではありません。過去問のノルマも合わせると初学者には相当キツイと思います。

リアリスティックは、絶賛されていることが多いのですが、初学者の私が講義を受けて思った点は以下の通りです。
(※独学などで一度勉強していたらまた違った感じになるとは思います。)

  • 網羅性の高いテキストだが、文章量が多く、その分ポイントがわかりずらいので、講義についていけなくなることがある。
  • 基本的にテキストを抑揚なく淡々と朗読しながら線を引いて進むので、テキスト以上の講義がほぼない。
  • 講義の線引きに追われて話の内容についていけなくなることがあり、テキストの3分の2ぐらいが赤と青の線になる。
  • 「集中してください」と何度もいうが早口になり集中できなくなることがある。
  • 講義の沈黙の3秒ルール?というのを守っていて、常に何かしゃべっていて講義にスキマがない。
  • 日本語や言い回しが独特で、独自の解釈と表現により意味が伝わりずらい部分がわりとある。(森山先生のVマジックや伊藤塾のExceedなどの中上級テキストは理解しやすいので、そちらで補完する必要あり)

なので、講義で30%ぐらい理解して、復習で50%ぐらいになって、過去問で撃沈して、また復習して60%ぐらいの理解という感じです。

いっそのこと、ラインマーカーの入ったテキストを配って、講義では講義の前に全体像の概要を話してから、図解を交えながらテキストを説明していったほうがわかりやすいんじゃないかなと思いました。

あとテキストを電子化して赤ラインマーカー部分を穴あきにして見出しと青ラインから思い出せるような訓練ができたらアウトプットが誰でもできるようになるかなと。

他に、

講義自体はというと、最初の無料で見れる民法、会社法の入門はとても分かりやすくこの講義が続くなら自然と頭に入ってくるな!!と思うのですが、いざ2回目、3回目の講座が始まるとそれはテキストを早口で読み、ちょっとしたところを解説していて、テキストに線を引いてって感じです。講義が終わり復習しようとすると線だらけで目が痛くなります。

https://bengaku-com.hatenablog.com/entry/2018/09/09/105341

リアリスティック刑法と共にこちらの憲法は分かりにくいです。それに、細かいようで甘い記述が目につきました。蛇足ですが、リアリスティックテキストは全科目において、正確な記述を心がけているとのことですが、それが受験生の負担になっているとも思えます。神経質すぎる記述が多い。

amazon

という口コミも見かけました。

完全に同意です。導入の動画部分はすごく良いと思ったのですが・・・w

と色々書いてしまいましたが、司法書士の内容自体が難しいので上記のような不満がでるのは仕方ないのかなとは思います。

リアリスティックの勉強法&暗記法

松本先生の書籍や動画を見ると、色々な勉強法を取り入れて効率良い勉強法の最適解を導いている印象です。

宅建レベルなら過去問を3回程度回せば暗記できますが、司法書士の試験は11分野もあり膨大です。過去問を回すだけで全てを暗記できませんし、応用問題が来たら解けません。

松本先生のやり方では、過去問以上にテキストの読み込み&理解&暗記が大事ということで、テキストを読みながら何度も内容を想起させて思い出しながら記憶に定着させる方法をとっています。他にもリコレクト法という記憶した情報をスムーズに思い出すテクニックをいくつか使って、頭の中を整理して知識を引き出せるようにトレーニングしていく感じですね。

  • 算数的Recollect法
  • Relating・Recollect法
  • ゴロ合わせ・替え歌Recollect法
  • こじつけRecollect法
  • 漢字Recollect法
  • 知り合い当てはめRecollect法
  • 斜線Recollect法

他に変わったところだと、シャドウイングの教材もあります。

英語だとありますが資格試験の教材としては珍しい気もします。授業を受ける前のガイダンスで効果的な授業の受け方も参考になります。

私が提唱している「情報の一元化ではなく検索先の一元化」「アウトプットの最高の教材はテキスト」「カコ問を何回も回すという方法ではなく、よりレベルの高いアウトプットをする」「条文・記述の申請書は、シャドウイング・音読学習法で」等といった 正しい勉強法を採れば、特別な能力がなくても、働きながらであったとしても一発合格が可能です。

引用:TOP – 司法書士試験リアリスティック一発合格松本基礎講座

私が民法と不登法を受講した限りの感想ですが、要は、ゴロ合わせと替え歌、理由から暗記箇所を思いだすという感じの学習法です。特に目新しさはありませんでした。ゴロのセンスは森山先生や伊藤塾の高橋先生のほうが上に感じました。

また、個人的にリアリスティックを使ってアウトプットで想起というのができるのは、10人中1人ぐらいの割合じゃないかなと感じました。インプットした直後にアウトプットのような意味ではないので相当難しいですし、質問みてもみんなこれができなくて悩んでます。

あの分量で、あの細かさなので、結局ただテキストを読んでいるだけになってしまい、暗記できなかった人も多いと思います。

赤青緑マーカーの線の引き方

こちらのリアリスティック民法導入講義で赤青緑のマーカーラインの引き方を指導しています。

赤:結論部分(ポイントを記憶するので大事)
青:理由、趣旨(法律がなんでできたのか?などで試験には基本でない)
緑:複数の知識に関係するもの(条文判断などに使用するなど重要なので記憶する)
黒:試験にでないもの

記憶するときは、暗記ペンで引いてシートで隠して覚えると効果的です。文章の中で穴埋め部分は記憶に定着しやすいという研究もあります。

穴埋めのテストを通して、エラーをしたり、推測したりして、正しい結果を得た後に修正するというメタ認知の行為(自分自身の思考について思考する行為)が働き、そのプロセスが記憶には効果的であるということを示しています。

引用:記憶のメカニズムを利用した効果的な勉強法|Kodai Kusano|note

リアリスティックのテキスト

リアリスティックの書籍は、2021年に全シリーズが完成していて、一括講座に申し込めば全巻(14冊)が送られてきます。リアリの基礎講座だと過去問も送られてきます。

著:松本 雅典
¥2,420 (2022/05/16 12:54時点 | Amazon調べ)

リアリスティックのテキストは、市販の司法書士テキストの中でも、多くの先例や判例などが掲載されていて、網羅性が高いテキストだと思います。索引も充実しています。

講義では、このテキストのみ使用して、余計なレジュメはほとんどありません。LECなどではブレイクスルー以外に大量のレジュメがあるので、かなりまとめる作業が発生してしまうのですが、リアリならテキストと過去問のみで完結します。

網羅性が高い分、弱点もあります。

それは、情報量が多すぎて、重要なポイントがわかりにくくなるという点です。各論点が表面的になりがちで、深い理解にならず、読み進めるのにも時間がかかるため試験に間に合わなくなる人も多いと思います。よほど暗記力があれば別ですが、情人は、知識が断片的にならないよう体系的に理解するよう工夫をする必要はあります。

過去問にでてきた関連知識を、突然入れていることがありそこもわかりにくいです。伊藤塾のように関連知識としてまとめて紹介すればいいのになと思います。

あと表を多用しているのですが、表の中に説明の文字を詰め込みすぎていて視覚的に見ずらくなってしまい、テキストを回転するのが大変というデメリットは感じました。

ぱっと見は良いと思うのですが、読み進めていくうちに独学で初学者だとわかりずらいと思うかもしれません。

リアリスティックの過去問の使い方

リアリ講座を受けるメリットが、過去問です。

講義に合わせて、どの過去問をとけばいいかがすべて指示されます。

なので、まだ未経験の学習範囲が掲載されている過去問は一旦スルーして、学習した後で解くようになっています。

また、過去問を解いた後に、リアリのテキストのどこに戻って知識を確認すればいいかがわかるようになっているので、記憶の定着が良くなります。他の予備校はここまで細かく過去問学習について指示していないので、リアリを受講する一番のメリットだと思います。

ただ、結果的に平成~令和までの過去問を9割以上は解くことになるので、兼業だと厳しい分量です。

講義が終わると指定過去問を解くのですが、多いと30問以上あるので、テキストに戻って都度確認までやると、復習3時間→過去問3~5時間ぐらいになるので1日10時間はないと終わりませんw

ただ2024年からは、マスト過去問といって、最低限得べき過去問が指示されるようになったので、幾分楽にはなりましたが、合格するならマスト過去問以外も解く必要はあるとは思います。

リアリスティック司法書士講座の記述

記述の解法本と基礎編・応用編があり、解法の内容は10年前と変わっていないと言っていました。

記述はわりと良問が多いように感じます。

20分ぐらいで解ける問題を不動産登記30問、商業登記30問用意してあって、各論点がちりばめられているので、基礎はこれを3周ぐらいすればOKです。

記述でよく話にあがる田端先生の本と比べると、ほぼ内容は被っていて同レベルなのでどちらかを買えばよいと思います。

リアリスティック司法書士講座8ヶ月合格コース

8カ月は専業受験生を前提としたスケジュールになっています。

8ヶ月合格コースの場合は一週間で34~40時間の勉強が必要になり、なかなかハードな一週間スケジュールです。家族や子供がいて、仕事をしながらだとかなりキツいです。

よほどの天才か1日10時間以上勉強できる人でないと無理ですね。

下記は8ヶ月コースで「9or10月開始→4月中旬基礎完了→7月まで復習回し」のモデルスケジュールです。

下記1コマの勉強時間を一週間に4コマ(週34~40時間)

1コマの流れ
1.予習:10分
2.講義視聴:3時間20分
3.テキスト復習イン:2時間
4.過去問:2時間
5.テキスト復習アウト:1時間
6.追っかけ復習:余った時間
合計:8時間30分

引用:https://www.youtube.com/watch?v=IoNPp13g_NA

専業か集中力が高い人向けです。

2024年からは、今まで受けたリアリと過去問に関する質問について、サイトでまとめているので、質問しなくても疑問点が解消できるようになっています。

リアリスティックロングスタディ(20ヶ月)合格コース

兼業の人は20ヶ月コースのほうが良いと思います。

20ヶ月の「10月開始→翌年の12月基礎完了→7月まで復習回し」のスケジュールです。

最後の6ヶ月でテキストを7~8回まわして、過去問を2.5回まわし、答練もやる感じになってます。

こちらは10月ぐらいから始めて20ヶ月の勉強期間を想定したパターンですが、一週間に2コマ=一週間に20~25時間の勉強時間確保ですみます。

1日平均して3時間~3.5時間ですが、ロングスタディコースで合格した人のインタビューを見ましたが、1日5時間は最低やっていました。直前期はやはり8時間から10時間やっていましたw 

ぶっちゃけ、こちらも兼業にはキツイので、試験3か月前は専業で猛勉強しないと合格は無理でしょう。

仕事前後に5時間の勉強は本当に厳しいです。最初の民法は乗り切れるけど、その後の不動産登記と会社法でリタイアする人が続出するので、よく考えてからにしましょう。

サポート体制

勉強でわからなかった点について、サポートにメール相談受付システムがありますが、24時間対応でどんな質問でも答えてくれるのがいいですね。回答も早いとのことです。以前は、松本先生が直接答えていたそうですが、今は、基礎講座は合格者のスタッフがメインで答えているようです。

現在、松本先生に授業の不明点を相談するには、ライブコースに通学して、授業終了後に質問(1時間ぐらいかかることもあるとか)するか、松本先生の個別指導の有料オプション(こちらはすぐ満席になってしまうそう)を取る必要があります。

松本雅典先生のリアリスティック司法書士講座の口コミ

Twitterで検索したところ、司法書士の受験者数の母数が少ないのもあり口コミは少ないです。

実際の合格者の方々の口コミは、youtubebの辰巳研究所にいくつかあり勉強法や勉強時間など参考になりますね。

テキストを回すスピード:1時間に30~40ページで雑にならないように飛ばさず読み込む

https://www.youtube.com/watch?v=CZWV13LoZck&t=916s

・テキストを印刷して講義を聞いてなぐり書きをして次の日に清書してアウトプットをした
エビングハウスの忘却曲線にしたがって2週間後、1ヶ月後、2ヶ月後で実践していた。スマホカレンダーを活用して習慣化して続ける。(エビングハウスは管理が難しいので実践は難しいという人が多い)
・直前期は松本先生のカレンダーを活用して勉強。(削るものを相談した)
勉強は声に出して読む。お風呂でも勉強。

https://www.youtube.com/watch?v=GnfElYoNSs4

エビングハウスについては、復習タイミングは人によって違いますが、他にも「翌日、1週間後、2週間後、1ヶ月後」のような人もいます。エビングハウスの暗記法で再学習コストの負担を減らすことができます。

平日は2-3時間、休日は6-8時間。試験日までは平日も6-8時間の勉強時間
講義を聞くのがギリギリで復習ができないところが多かった。
8割はテキストで勉強で過去問は1周程度しかできなかった
立って勉強した。

https://www.youtube.com/watch?v=fqxJ-1gAtAI

過去問は平成15年度以降1回程度といた。年度別過去問5年分やった。
(平成桁台だと文章が短いためやらなかった)
テキストの読み方は松本先生の基本通り。苦手なところをよく読む
直前期は1時間に50ページ目標にしてやっていた

https://www.youtube.com/watch?v=fL8HYxYSlec&t=872s

その他の司法書士試験の講座についてはこちらにまとめました。よかったらご参考ください。

また、辰己の女性講師、田端恵子先生のパーフェクトユニットはこちらにまとめました。

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